第48回政治哲学研究大会
開催日時 2024年3月6日 (水)
ハイブリッド開催
拓殖大学文京キャンパスC201教室
〒112-8585 東京都文京区小日向3-4-14
9:00 受付/Zoom入室開始
9:20 開会
9:30-10:25 個人研究報告①
服部 圭祐(秋田大学高等教育グローバルセンター助教)
近代日本の政治研究における「正義」の概念
コメンテーター: 昆野 伸幸(神戸大学)
司会: 杉田 孝夫(お茶の水女子大学名誉教授)
10:30-11:25 個人研究報告②
岩井 洋子(東京女子大学研究員)
西田幾多郎における「絶対無」主権論――近代国家の超克の論として
コメンテーター: 田中 久文(日本女子大学名誉教授)
司会: 杉田 孝夫(お茶の水女子大学名誉教授)
11:30-12:25 個人研究報告③
金田 瑞樹(広島大学大学院)
Anti-Thanatos
コメンテーター: 大橋 政仁(早稲田大学)
司会: 小林 哲也(京都大学)
13:30-14:25 個人研究報告④
佐藤 貴史(北海学園大学)
ユダヤ学と政治のあいだ
――ユダヤ人文化学術協会、エドュアルト・ガンス、イマヌエル・ヴォルフ――
コメンテーター: 後藤 正英(佐賀大学)
司会: 森 達也(神戸学院大学)
14:30-17:30 シンポジウム
『政治思想と啓蒙』書評会(ナカニシヤ出版、2023年)
隠岐 理貴(名古屋外国語大学)
⼈間の「使⽤」と「社会」についての覚え書き――「来たるべき友情のために」補論
上田 悠久(茨城大学)
ホッブズの〈啓蒙〉再考
和田 泰一(摂南大学)
啓蒙の主体と自由のアンチノミー――アドルノのカント批判
コメンテーター: 佐藤 正志(早稲田大学名誉教授)、佐藤 一進(神戸学院大学)
司会: 金田 耕一(日本大学)
17:30-18:00 総会
18:00 閉会
第47回政治哲学研究大会
開催日時 2023年9月12日 (火)
ハイブリッド開催
対面会場 公益財団法人国際高等研究所
京都府木津川市木津川台9丁目3番地
12:40 受付/Zoom入室開始
13:00 開会
13:10-14:00 個人研究報告①
北島 栄儀(神戸学院大学非常勤講師)
ポスト基礎付け主義(post-foundationalism)の規範理論としての
模範主義的道徳理論(exemplarist moral theory)の可能性――政治、価値、規範
コメンテーター: 田畑 真一(北海道教育大学)
司会: 杉谷 和哉(岩手県立大学)
14:10-15:00 個人研究報告②
金 宇中(東京大学大学院)
生と死の磁場としての〈共同体〉――バタイユとナンシーの読解を通して
コメンテーター: 松葉 祥一(同志社大学)
司会: 森 達也(神戸学院大学)
15:10-16:00 個人研究報告③
濱井 潤也(新居浜工業高等専門学校)
理解できないのは宗教だけか
―チャールズ・テイラーの政治における平等について―
コメンテーター: 山根 秀介(舞鶴工業高等専門学校)
司会: 下村 智典(京都大学こころの未来研究センター特定研究員)
16:00 閉会
第46回政治哲学研究大会
開催日時 2023年3月3日 (金)
ハイブリッド開催
拓殖大学文京キャンパスC201教室
9:30 受付/zoom入室開始
9:50 開会
10:00-10:50 個人研究発表①
坂井 礼文(京都大学非常勤講師)
シュトラウスの僣主政治論――古代と近代
司会 西永 亮(小樽商科大学) コメンテーター 面 一也(立教大学非常勤講師)
11:00-11:50 個人研究発表②
高橋 侑生(京都大学法学研究科附属法政策共同研究センター特定研究員)
チャールズ・テイラーの大学論――カナダ・ケベック州における学生運動を踏まえて
司会 高田 宏史(岡山大学) コメンテーター 石川 涼子(立命館大学)
11:50-12:20
2022年度総会
13: 15-15:15 シンポジウム
――レオ・シュトラウス没後50年――
石崎 嘉彦(摂南大学名誉教授)
何故、レオ・シュトラウスを読むべきか?
司会 近藤 和貴(拓殖大学)
※当日はNathan Tarcov (Chicago University) によるビデオ講演
“Leo Strauss and Japan” を予定していましたが、延期となりました。
15:30-16:20 個人研究発表③
田中 雄祐(東京福祉大学特任講師)
〈社会的なものの肉〉をめぐって――メルロ=ポンティとルフォール
司会 金澤 洋隆(京都大学) コメンテーター 金田 耕一(日本大学)
16:30-17:20 個人研究発表④
菊池 理夫(三重中京大学名誉教授)
ルネサンス・ユートピアのアクチュアリティ
司会 山内 廣隆(安田女子大学/広島大学名誉教授) コメンテーター 厚見 恵一郎(早稲田大学)
17:20 閉会
第45回政治哲学研究大会
開催日時:2022年9月2日 (金)
開催形式:オンライン(一部ハイブリッドの予定)
タイムスケジュール
10時:受付開始
10時30分:個人研究報告 ①
Cioranʼs Thoughts in the Context of the Real: A Study of the Void as a Remedy for the Real
発表者:金田 瑞樹 (広島大学大学院人間社会科学研究科 博士課程)
コメンテーター:小林 哲也 (京都大学)
司会:大橋 政仁 (Boston College)
11時30分:お昼休憩
12時30分:チャールズ・テイラー合評会
(1)千葉 眞 (国際基督教大学名誉教授)
試論――『世俗の時代』を読解する
(2)坪光 生雄 (一橋大学大学院社会学研究科科研費フェロー)
世俗の時代は乗り越えられたのか――多元主義者が語った「回心」
(3)高田 宏史 (岡山大学)
『世俗の時代』に神学-政治問題は存在するか
コメンテーター:伊達 聖伸 (東京大学)
司会:石崎 嘉彦 (摂南大学名誉教授)
15時30分:休憩
16時:個人研究報告 ②
歴史的未来主義と人間学的歴史記述――カール・レーヴィットにおけるファシズム批判
発表者:遠藤 健樹 (東北大学大学院文学研究科 専門研究員)
コメンテーター:山内 廣隆 (広島大学)
司会:西永 亮 (小樽商科大学)
17時:閉会
政治哲学研究会 第44回研究大会
2022年3月4日 オンライン開催
10:30-11:30 個人研究発表①
北島 栄儀(神戸学院大学非常勤講師)
政治における模範主義(exemplarism)の意義と課題――徳(virtue)の涵養と実践を巡って
司会者:下村 智典(京都大学こころの未来研究センター 特定研究員)
討論者:植原 亮(関西大学)
12:15-14:15 シンポジウム
教育と政治哲学
パネリスト:関口 佐紀(早稲田大学助手)、藤本 夕衣(清泉女子大学)、
田中 将人(早稲田大学非常勤講師)
司会者:石川 涼子(立命館大学)
討論者:上野 大樹(一橋大学・慶応大学)
14:30-15:30 個人研究発表②
北岡 一世(神戸大学大学院)
トマス・ホッブズのエロース論についての考察
司会者:佐藤 正志(早稲田大学)
討論者:和田 泰一(摂南大学)
15:40-16:40 個人研究発表③
岡本 至(文京学院大学)
もうひとつのマキャヴェリアン・モーメント――共和主義政治理論における安全保障上の文脈
司会者:佐藤 一進(神戸学院大学)
討論者:村田 玲(金沢大学客員研究員)
16:50- 総会
第43回政治哲学研究会
2021年9月3日(金)~ 4日(土)オンライン開催
第1日目 9月3日(金)
開会
13:00-15:00 シンポジウム
アメリカにおけるリベラリズムの思想的優位性をめぐって
石川敬史(帝京大学) 三牧聖子(高崎経済大学) 井上弘貴(神戸大学)
司会 隠岐-須賀 麻衣(日本学術振興会特別研究員)
個人研究発表
15:15-16:15
司会 近藤和貴(拓殖大学)
デリダ歓待論と抵抗の政治学――精神分析を介した欲望の哲学から
髙﨑 雄悟(京都大学大学院)
討論者 西永亮(小樽商科大学)
16:30-17:30
司会 大河内泰樹(京都大学)
京都学派の政治哲学
岩井 洋子(一橋大学大学院)
討論者 山内廣隆 (安田女子大学)
第2日目 9月4日(土)
13:00-15:00 招待講演
ライプニッツにおける「正義」の概念――ホッブズ主意主義との対決を中心に
酒井 潔(学習院大学名誉教授)
司会 佐藤貴史(北海学園大学)
討論者 石崎嘉彦(摂南大学名誉教授) 和田泰一(摂南大学)
個人研究発表
15:15-16:15
司会 杉田孝夫(お茶の水女子大学名誉教授)
カントにおける国際国家と国際連盟
高田 純(旭川大学)
討論者 隠岐理貴(名古屋外国語大学非常勤講師)
第42回政治哲学研究会
2021年3月4日(木曜日)オンライン開催
開会
12:00 ~ 14:00 シンポジウム 「宗教と哲学」
杉田 孝夫(御茶ノ水大学名誉教授) 藤本 龍児(帝京大学) 松井 信之(立命館大学客員研究員)
司会:太田 義器(政治哲学研究会事務局長)
14:15 ~ 15:00 総会
個人研究発表
15:15 ~ 16:00
司会 近藤 和貴(拓殖大学)
「政治的動物」についての一考察
石野 敬太 (早稲田大学)
討論者 隠岐-須賀 麻衣(日本学術振興会 特別研究員)
16:15 ~ 17:15
司会 金澤 洋隆(国際高等研究所)
政治における認識上の不一致(disagreement)を巡る規範的考察
――認識論的権威と他者への信頼――
北島 栄儀 (神戸学院大学非常勤講師)
討論者 下村 智典(京都大学こころの未来研究センター特定研究員)
17:30 ~ 18:30
司会 西永 亮(小樽商科大学)
「政治哲学」の「法哲学」からの分化
――近代日本における「政治」と「法」との関係について――
服部 圭祐(神戸医療福祉大学非常勤講師)
討論者 田中久文(日本女子大学)
閉会
発表要旨
「政治的動物」についての一考察
石野 敬太(早稲田大学)
本報告は、アリストテレスの倫理学的・政治学的著作に通底する概念である「政治的動物」の精確な理解を提示することを目的とする。周知のように、「政治的動物」というアリストテレスの人間規定は、民主主義的なアリストテレス像を描き出そうと試みる現代の論者や、共同体主義(communitarianism)や市民的共和主義(civic republicanism)を擁護する論者にとって導きの糸であった。たとえば、政治思想史・共和主義研究の大家の一人であるポーコック(1985, pp. 40-41[77頁])は、「人間(homo)、すなわち政治的動物(animale politicum)は、市民的生活(vivere civile)において実践される実践的生(vita activa)においてのみその本性が完成するように作られて」いると述べ、またイグナショフ(1995, p. 53)は、「政治的生」の具体的内実とは「政治参加を通して彼自身の私的利益を超え、他の市民との討論においてアリストテレスが真の人間と呼んだもの、すなわち政治的動物になること」に他ならないとしている。このような解釈に共通するのは、人間が他の群棲動物に比べてより政治的動物である根拠としてアリストテレスが挙げる人間の能力、すなわち「言語((λόγος)」への着目と、「政治的(実践的)生」の中核を平等な市民による 「言語」の発露としての討議・熟議への参加に見出す視座である。
とは言え、このような一般化・縮約化された「政治的動物」の理解が、その唯一の解釈であるわけではない。事実、アリストテレスの著作の詳細な注釈書を著したトマス・アクィナスは、『君主の統治について』(De Regimine Principum)において、まさに「政治的動物」という人間規定に依拠しながら君主制の優位性を示す一連の議論を展開している(I 12, 94)。
そこで本報告は、「政治的動物」に平等な市民間の水平的な政治的関係のみでなく、立法家と市民の間の垂直的な政治的関係が埋め込まれていることを明らかにすることを試みる。以上の目的に鑑み、第一章では、「政治的動物」に関する幾つかの議論を概観し、それらの問題点を指摘する。第二章では、「政治的動物」が言及される『政治学』第1巻第2章1253a2-3をその前後の文脈と『動物誌』第1巻第1章488a7-13を下敷きにしながら読解し、前者のテキストから上述の垂直的な政治的関係を剔抉する。第三章では、この垂直的な政治的関係が、これまでアリストテレス政治哲学の民主主義的な理解の論拠となってきた「多数者の知恵」が論じられる『政治学』第3巻第11章の議論に内包されていることを論じる。以上の考察によって、これまで民主主義、共同体主義、あるいは市民的共和主義を擁護すると考えられてきたアリストテレスのテキストに通底する、貴族主義的な要素が描き出される。
政治における認識上の不一致(disagreement)を巡る規範的考察
――認識論的権威と他者への信頼――
北島 栄儀(神戸学院大学非常勤講師)
本報告では認識の齟齬・不一致(disagreement)に対処する認識論的規範とその政治的含意について考察を行うが、認識を巡っては、(A)認識論上優位な立場にある者(認識論的権威者)と一般人との間、(B)同等の立場にある者同士(peer)の間のいずれの場合においても、齟齬・不一致が生じ得る。
(A)の関係における齟齬・不一致の場合、まず、認識論的権威者に対して一般人がどのように振舞うべきかについては、認識論的権威者の先取り(preemption) を広く認める立場、総体的証拠(total evidence) に基づいて処理する立場があるが、本報告ではボクロス (Bokros) の敬譲モデル (deference model) を取り上げ、認識論的権威におけるその意義について検討を行う。次に、認識論的権威者の競合も生じることから、この点に関するドウァティ(Dougherty) の権威の程度(degree) に関する指摘と、それに対するザグゼブスキ (Zagzebski) の応答を取り上げる。さらに、認識論的権威者の側から、一般人の為に相談を受けること無しにその判断に対してパターナリスティック(paternalistic) に介入することの是非も問題となるので、この点を論じているクローチェ (Croce) の議論を取り上げる。クローチェは、知的徳 (intellectual virtue)に基づく認識論的権威者がパターナリスティックに介入することの必要性を説き、また認識論的権威者が集団や制度である場合への応用の可能性についても触れているので、それぞれ検討を加える。
(B)の関係における齟齬・不一致の場合については、ザグゼブスキが、他者を顧みない認識論的エゴイストの立場と、自己の有する理由と他者の理由との扱いを全く区別しない認識論的平等主義という両極端の立場を排しつつ、自分が信頼しているのと同等の資質 (property) を有している他者については一応自分と同じ程度に信頼できるとする「認識論的他者信頼の原理」と誠実な自己省察に耐え得るかという基準による対処を提示している。しかしこれに対しては、オロツコ(Orozco)とキング(King)が、証拠を軽視しすぎており問題解決の為の適切な指針を導くことができないとの批判を提示しており、それに対してザグゼブスキが応答しているので、双方の主張の是非について検討を行う。さらにザグゼブスキは、集団や共同体の間の認識の齟齬・不一致の場合についても、個人間の齟齬・不一致の場合とパラレルに考えて、個人間に用いる方法を応用した対処を提示しているので、この点についても検討する。
最後に、以上の議論が政治の場面においてどのような意義を有するのか、その可能性について考察を行う。現代の社会は、既存の制度や専門家等の権威が失われ、トライバリズム(tribalism-政治的部族主義)が蔓延し、不確実性と世論の分裂の度合いが高まっている状況にある。上記の考察を通じて、共有できる認識基盤を構築して混迷を打開する道筋を探りたい。
「政治哲学」の「法哲学」からの分化
――近代日本における「政治」と「法」との関係について――
服部 圭祐(神戸医療福祉大学非常勤講師)
本発表の目的は、近代日本における「政治哲学」的思索の特徴の一端を、それが「法哲学」から分化する形で成立してきた点に注目しつつ明らかにすることにある。日本において「政治哲学」が一つの学問的課題として一般に受容されるのは、明治初期に「哲学」が西洋から移入されてから70年以上を経た第二次世界大戦後のことであるが、それは当時において「政治」についての「哲学」的考察が行われなかったことを意味するよりはむしろ、そもそも「政治」が学問的考察の中心的対象として置かれていなかったことにその第一の原因を求めうるように思われる。即ち、当初において「政治」的諸現象は、「政治」よりもむしろ「法」の制定・執行という枠組みの中で、主として「法学」または「法哲学」において考察の対象として取り扱われることが一般的であったのである。
これは言い換えれば、日本における「政治哲学」的思索の発達が、「法哲学」からの分化と軌を一にしていることを意味する。それゆえ本発表では、明治期から大正・昭和期にかけての「法哲学」的思索がいかに発展していったかの確認を通じて、近代日本の「政治」現象についての思索の有様と、その歴史的変遷に対して光を当てることを試みる。それに際して本発表はまず、明治期における「法」についての学問的考察が、主として「法」一般の概念を解明する「法理学」「法学通論」という形で行われたことに着目しつつ、そこにおいて「政治」が国家による「法」の適用として把握されていることを確認する。
その上で我々は、大正期における「法哲学」的思索が、「法」を「国家」「個人」の関係において成り立つ規則として論ずる方向に進んでいることを見るが、これは現実の「国家」の活動が、単なる「法」の執行ではなく、それを通じた個々の人間に対する支配という意味での「政治」として見出されてくることを意味する。これは言い換えれば、「法」が「政治」のための道具に止まるものではなく、慣習や道徳との連続性において成り立つ一種の文化的産物として捉え直されることに等しい。これらの作業を通じて我々は、昭和期以降における「政治哲学」の成立を、「政治」と「法」の分離を通じた「政治哲学」「法哲学」の分離と表裏一体をなす事態として看取しうるようになるだろう。
The 41st Conference on Political Philosophy
Web Conference, September 26th, 2020
第41回政治哲学研究会
2020年9月26日(土)13:15~17:30 オンライン開催
—— 研究報告プログラム ——
12 : 45〜 13 : 15 オンライン受付
13 : 15 〜 13 : 30 開会の挨拶
13 : 30 〜 14 : 20
司会 杉田 孝夫 (お茶の水大学名誉教授)
稲村一隆(早稲田大学)
「自然は無駄なものを作らない」:分業と分配的正義に関するアリストテレスの目的論
討論者 宮崎 文典(埼玉大学)
14 : 30 〜 15 : 20
司会 高田 宏史 (岡山大学)
坂井礼文(日本学術振興会特別研究員)
コジェーヴとアーレントの権威論の比較
討論者 百木 漠(立命館大学衣笠総合研究機構 専門研究員)
15 : 30 〜 17 : 30 シンポジウム
統一テーマ「合理性と善き生」
司会 石崎 嘉彦 (摂南大学名誉教授) 千葉 眞 (国際基督教大学名誉教授)
15 : 30 〜 16 : 30
西永亮(小樽商科大学) 近藤和貴(拓殖大学) 金澤洋隆(国際高等研究所)
16 : 30 〜 17 : 30 合同討議
17 : 30 〜 閉会の辞
発表要旨
稲村一隆(早稲田大学)
<タイトル>
「自然は無駄なものを作らない」:分業と分配的正義に関するアリストテレスの目的論
<要旨>
「人間本性」や「魚の本性」など特定のグループの自然本性概念についてはよく研究されており、言葉を持つ政治的動物としての人間本性もよく議論されてきた。しかしアリストテレスの自然概念は、文の主語の位置にきて、人間が言葉を持つ意味を説明したり、分業を擁護したり、財を有意義に分配したりする(『政治学』1252b1–5; 1253a9; 1254b27–31; 1256a26–29; 1256b7–10, 20-22; 1258a23–24, 35–36; 1342b22–23)。その自然の働きは、「自然は無駄なものを作らず、最善のことをなす」と表現されることもある(『魂について』432b21–22; 434a30–31; 『動物部分論』661b23–24; 691b4; 695b19など)。そうした自然は必ずしも自身の意図を実現できないが(『政治学』1255b3–4)、家長や賢い人の知性に擬えられ(『動物部分論』687a11–19、『動物発生論』744b21–26)、ごく稀に神と同一であるかのように表現されることもある(『天界について』271a33)。本発表ではこうした自然概念がどのように公職の分配や、分業や、財産の取得と使用に関する議論に利用されているのかを分析する。「能力に応じて各人から、必要に応じて各人へ」という発想の基盤にもなっているが、奴隷制、植民、不平等の擁護に利用されてもいるので、生物学の発想を政治学で応用する問題点も考察する。ジョン・ロックの神の機能と比較するなどして、政治哲学上、目的論がどのように利用されてきたのかを一般的に議論できるような素材を提供したい。
坂井礼文(日本学術振興会特別研究員・神戸大学)
<タイトル>
「コジェーヴとアーレントの権威論」
<要旨>
異なった視点から権威論を作り上げたコジェーヴとアーレントを読み直すことで、権威の本質とは何かをうかがい知りながら、権威について包括的に理解するための一助としたいと考えている。
第9回政治哲学研究会
場所:慶応義塾大学三田学舎
日時:2005年12月18日
研究会総会:13:00~14:00
レオ・シュトラウス政治哲学研究会の名称変更について
研究発表会: 14:00~17:20
14:00~15:30
村田 玲(早稲田大学大学院政治学研究科)
「知恵と節度―レオ・シュトラウス『マキアヴェリ論考』読解の諸前提について―」
15:50~17:20
中金 聡(国士舘大学)
「アルキビアデス問題」
第8回レオ・シュトラウス政治哲学研究会
場所:摂南大学・早稲田大学
講演者:Haig Patapan (グリフィス大学・ブリスベーン)
第7回レオ・シュトラウス政治哲学研究会
場所:早稲田大学・同志社大学
講演者:
Catherine Zuckert (ノートルダム大学)
Michael Zuckert (ノートルダム大学)
第6回レオ・シュトラウス政治哲学研究会
場所:早稲田大学・同志社大学
講演者:Steven Smith (イェール大学)
第5回レオ・シュトラウス政治哲学研究会
場所:早稲田大学・京都大学
講演者:
Nathan Tarcov (シカゴ大学)
Heinrich Meier (ジーメンス研究所・ミュンヘン大学)
第4回レオ・シュトラウス政治哲学研究会
場所:摂南大学寝屋川キャンパス・1号館3階・共同研究室
発表者:
面 一也
石崎 嘉彦
第3回レオ・シュトラウス政治哲学研究会
日時:1998年10月1日
場所: 同志社大学光塩館 共同研究室Ⅱ(二階)
発表者:
面 一也 (早稲田大学大学院博士後期課程)
論題: レオ・シュトラウスのマイモニデス論
―『迷える者の導き』をいかに研究し始めるかを読んで―
寺島 俊穂 (大阪府立大学)
論題: アレントとシュトラウス
―政治哲学はどこへゆくのか?―
第2回レオ・シュトラウス政治哲学研究会
日時:1998年3月14日(土曜日)(早稲田大学政治思想研究会共催)
場所:早稲田大学
発表者:石崎 嘉彦
論題:スタンレー・ローゼン(Stanley Rosen)のレオ・シュトラウス解釈の特徴と問題点
第1回レオ・シュトラウス政治哲学研究会
日時: (早稲田大学政治思想研究会共催)
場所:早稲田大学
発表者:石崎 嘉彦
論題:レオ・シュトラウス政治哲学研究に向けて